キメセクファイル/サツキ12

~ ブツ切りの桃源郷 ~

 目の前で二つの大きな丸い物体が揺れている。プルンプルンと単調な動きだ。色はピンク?いや、肌色か?あ、女だ、女がいる。そうか、これはこの女の乳房だな。うんうん、ようやく思い出してきた。こいつはサツキだ。サツキが俺に乗って動いているんだ。俺はこいつとセックスしてたんだ…。

 口で犯されたあたりで俺の記憶はブツッと途切れ、知らぬ間にサツキは俺にまたがり凌辱の限りを尽くしていた。ああ、なんと素晴らしい肉欲と狂気の世界であろうか。お互いの体をただの触媒として使い捨て、あくまで薬物とのセックスを貪欲に楽しもうとする男と女…。彼女は完全に俺側の生き物だったと真に理解した。

 美しい顔とかわいい唇、タトゥを消した痛々しくもセクシーな火傷跡、そしてケミカルの匂いを振り撒きながらサラサラ揺れるショートヘア。ああ、全部、全部欲しい、俺の所有物に、俺の支配下に…。つらそうな顔で快楽の波に耐える彼女を力づくで抱き寄せ、おしりを押さえて下から強く早く腰を突き上げると、俺の耳元で彼女は「ああ、だめ、だめ…」とすすり泣くような声を出す。息の続く限り、命の限り、腰を動かし続けた。


「とっっても、可愛かった、ですよ、ラオさん…」

 ゼェゼェと荒い息で休む俺の汗まみれの顔に何度もキスをしながら、俺を口で犯した感想をいたずらに囁いている彼女ではあるが、その腰はゆっくりと深く動くのをまったく止めようとはしていなかった。グイッグイッと、さっきまでサツキを犯していた俺のように生々しい動きで、いやらしく俺を蹂躙し続けるのだ。

グチュチュ…グジュッ…グジュジュ…グチュッ…

 最高のビジュアルと狂気とテクニックで凄まじい快楽をくれている彼女の口元へ、俺は無言でマグを近付けてみた。すると彼女は俺の真似をしてスゥゥっとラッシュを大きく吸い込み、はぁぁとゆっくり吐き出した。濃いラッシュの香りに当てられて、そのまま俺もストローからそのガスを吸い込んだ…。


グチュッグチュッグジュッグチュッグジュッ…

 遠い意識の中、俺に体を完全に預けた彼女は、腰だけを上下に動かし俺を飲み込む。サツキの匂いをかぎながら俺も下からグイグイと優しく深く突き上げた。

「ヤバイ…ヤバイ…」

 サツキと俺はまさしく同じ場所にいた。互いの存在が溶け合って意識や体の境界線もなくなっているはずなのに、腰だけで自分と相手を探し続ける…。コントロールのきかない、途方もない快楽の中で…。

 気づけば今度は俺が上になって彼女を犯していた。またマグからラッシュを吸い込み、次の瞬間にはサツキの顔を横に向けてストローをくわえさせる。

「あぁ、ヤバイ…もぅ、あぁ、ヤバイ…恐い…」

 その快楽の恐怖から守るように、守られるように、お互いを抱きしめ、首筋を噛み、キスをして、肩に爪を立てた。

グッチュグッチュクッチュグッチュクッチュ…

 いやらしい汗と卑猥な音と、オスらしい、メスらしい体の動きと、そして怒濤の快楽と。お互いがお互いを蹂躙し続けるだけの時間が過ぎていく…。


「ホント…ラオさんは大丈夫なの?強過ぎですよ…」

 絶え絶えでサツキが俺に訊いてくる。ああ大丈夫とだけ答え、彼女をベッドに残したままシャワールームへ倒れるように駆け込んで体を冷やす。軽くタオルで拭いたらリビングでポンプにネタを詰め、またシャワールームでシャブを入れる。リビングへ戻るといつの間にか移動して来たサツキが腕に針を刺すところだ。この景色にももう慣れてしまったが、それでもケツから入れたシャブのうずきは俺の意思とは関係なく加速度を増していった。

 またセックス前の大事なクサを吸いながらサツキのポンプを洗ってあげていると、彼女がいきなり顔を上げて「そろそろ朝なのであと二時間ほどしか一緒にいられないんです…」と悲しそうな声でそう俺に告げた。そしてその直後に今度は急に笑顔になり、だから楽しみましょ!と俺の腕を引いてベッドルームへ連行された。

 二度目?三度目?追い打ちに次ぐ追い打ちで、どうやら俺達はもう随分と遠い場所まで来てしまったようだ。何が正解かもまるでわからないまま、ただ本能的な肉欲に従い、またベッドでお互いの肉と肌をむさぼり始めた。