キメセクファイル/サツキ11

~ 知覚の崩壊 ~

 …あー、なんかカッコつけちゃったな。実はさ、ラッシュ吸ってもいいって言われる前にひと悶着あったんだけど、恥ずかしいから書かないつもりだったんだ。せっかくの濡れ場だからと変にシットリ書いちゃった。イカンイカン。まぁそこまで大した話じゃないんだけど、一応書いとくわ。

 サツキにサワサワされて絶好調に気持ちいいキキメの俺だからさ、どうしても口でして欲しくて堪らなくなっちゃったのよ。でもほら、いまや俺ってば自他共に認める紳士なわけじゃん?だから口淫なんていう非紳士的な欲望を彼女に伝えるべきか悩みに悩んじゃったわけ。黒いコックリング付けたパイパン全裸のオッサンが腰とかクイクイ動かしてアハンアハン悶えながら、頭の中では紳士と変態が激しくせめぎ合いよ。でもやっぱりそこはシャブの魔法もあって変態の俺に軍配が上がっちゃってさ、悩んだ末に口から突いて出たセリフが「お願いがあるんだが…フェラチオをしてはくれまいか?」というね…。紳士なのか変態なのか方向性がわからなくなっちゃってるよね俺。それ聞いたサツキも「く、くれまいかって!」なんて腹を抱えながら笑ってるし。

 んでひとしきり笑った彼女は「頼まれなくてもしてあげますよ~」って起き上がり、俺の両足の間に移動しながらニヤッと笑って「ラッシュ吸っても、いいんですよ?」って言ったんだ。これがあのエロい空気の中で起きたひと悶着の真相です。はい。ホント大したことなかったな。すまんこ。

 でもさ、ホントこのコすごくない?ちょっとマジで天使すぎない?フェラチオするからラッシュ吸っていいよってなかなか言ってくれないでしょフツー。…ではではそんなキメエロの女神の続きをば。


  彼女は俺の両足の間に正座して、ニヤニヤしながら俺のモノを触り続けていた。その快感に意識を持って行かれそうになるのをなんとか我慢して、俺はあおむけのまま右手でラッシュが入ったマグを口元へ持ってくると、ストローから胸一杯にそれを吸い込んだ。まるでドロドロした液体のように存在感あふれる毒ガスがノドを下りて行くのを感じる。と同時に、俺のモノに生温かく鋭い感触が襲った。慌ててマグを横に置きサツキに目をやると、彼女は髪の毛と乳房を揺らしながら…俺の…モノ…を……。

ー むせ返るほどラッシュ臭い息を吐き出してからほんの2-3秒、視界と意識がグイーッと引き伸ばされ始め、俺を取り巻く世界がトロミを帯びた甘い泥水となって流れ落ちていくのを感じた。

ー 知識や感情など今まで積み上げてきたすべての脳内データが細かいブロックとなって崩れ落ち、人格が、知性が、ジリジリと焼け焦げ霧散して消えていく…。

ー 立体が面に、面が線に、線が点になり、ついに無となろうかというその知覚の崩壊のさなか、肉と快楽に対する暴力的な欲求、ただそれだけが存在感を増していく。

ー その目に見えるのは、ゆるやかに流れ動く柔らかそうな桃色の景色のみ…。

クッチュ…グッチュ…ジュルッ…クチュッ…

 断続的に響いてくるいやらしい音と、それに混ざる熱い吐息。そしてそれ以上に激しく迫る肉の快感が、大きな濁流となって俺の脳を犯し続ける。

 あっんっあっはっあっあっ…。されるがまま、単調に、激情的に、まるで女のように声が漏れ出た。無意識に手足があばれ、腰が動く。肉の温かさ、ぬめりうねる動き、切り裂かれるような快感…。

 極限的に研ぎ澄まされ凝縮された純粋な快楽の結晶。それがパリンと弾ける感覚とともに、俺の目から、涙が、こぼれた。