オカがオカであるために 抱き続けなきゃならない ノ巻
ポチを触媒とした桃色の酒乱騒動から数か月、すでに俺たち三人は掲示板を介さずにメールでやり取りをするようになっていた。俺が酔狂でM男を飼い始めたとか、チャクのバンドがインディーズで一位になったとか、オカがまた縛られたとか、相変わらずと言えば相変わらずのトンデモ話ばかりではあったが、まだサイバー世界が今ほど充実していないあの時代に偶然出会えたキチガイどもと交わす毎日のメールが本当に楽しくて仕方なかった。
特にその時の俺は南米で一人旅をしていたからね、刺激には飢えていなかったけどやっぱり少し寂しかったから、二人からのメールが心の支えにはなっていたかな。
むしろオカからのメールは俺のチンポを支えてくれていたよね、うんうん。
だってさ、「早く入れられたい」とか「あの時みたいにイかせてほしい」とか「抱かれに行くからもうちょっと待ってて」とか、こんなのがほぼ毎日来るんだから半勃起もするよね、正味の話。
そんな日々の中、チャクから写真付きのメールが来た。確かチャクがサルでオカがカッパの全身タイツを着て、見覚えのあるアノ部屋で二人が笑ってる写真の下に
「このあとサルとカッパのままエロエロしました」
ってうおおおおおい!お前ら楽しそうなことやってんじゃねーかよおおお!さすがにこのメールが来たときばかりは海外にいることを本気で後悔したよね。セックスが、じゃなくてさ、その空間に俺がいられなかったことに対してスンゲー損した気分つーか。
でもまぁしゃーない、俺が日本にいないのが悪い。二人でヨロシクやってくれよフンフーンだ!
と、スネてたところにオカから追撃メールが来た。
「来月抱かれに行くからチンコ洗って待ってな!」
…この人マジ頭おかしくない?俺そんとき確かコロンビアとかブラジルだぜ?しかもオカは初海外ってさ、今みたいに空港でWi-Fi使えるとかあり得ない時代に、一度しか顔も合わせてない男に会うために、何が起こるかわからないような南米まで飛行機乗り継いで来るか?迎える俺がビビッたっつーの。
そんでアイツ、ホントに来た。「有給ガッツリ取ってやったぞウハハ!」って。
空港でレンタカーしてからひとまずウマいエンチラーダだかフェジョアーダだかの現地メシを食いに連れて行き、何日いるつもりなのかを聞いてみた。そしたら「4日だ4日!それだけあればケムリ出るまでヤリまくれるだろ!さぁ抱けホラ抱け今から抱け!」ってさ、どこからどこまでが本気で冗談かわからんぞこの女。
先に二週間ほどそこに滞在していた俺は、とりあえず女の子がこの国に来たら行ってみたいと思いそうな場所はいくつか調べておいたから、有名な遺跡とか景色がキレイな所とか海とか山とか、なんなら遊園地みたいなところも提案してはみたんだよ。
それがマッタクこれっぽっちもマラの先ほども反応無しなんだよ。「ふーん」「へー」「次来た時でいいかな」とか。
ひとつだけ食いついたのは、町にある大きなアダルトショップ。超巨大ハリガタや双頭ディルド、コスからSMグッズから拘束台、もちろんエロビやローションなんかも置いてある、なんでもゴザレのエロ百貨店ね。
飛行機で寝てないって言うし、少し休んでから行くか?って言っても、休むヒマがあるなら抱け、抱かないならそのエロい店行くぞと、まったく聞く耳もたん。半ば呆れながらメシをガラナで流し込み、俺たちは車で町へ向けて出発した。
うっわ、このディルド、アタシの腕くらいあるよ!デッケー注射器!これカンチョーかよ!見て見て、馬型のダッチがある!これは拘束台?もはや分娩台だろ!あっはっは!
店に入ってからのオカがマジでおかしい。まるで遊園地に来た子供だ。まぁ確かに日本じゃ見られないようなグッズばかりだからな、楽しいのはわかる。だがオカの場合、それを見るだけではなく、しっかり買おうとするのが怖い。俺が持っている買い物カゴがみるみるうちに重くなっていくのだ。
「いやー、お土産にいいかなーと」
そう言って笑いながらバイブを選んでいるけど、ホントはどーせ自分用だろ。ひとつだけチャクに渡すって選んだグッズは確かに面白くてさ、風邪マスクみたいにアゴへ装着するディルドで、挿入しながらクンニできるってシロモノだったんだが、うーん、伝えづらいなぁ。
…って、ちょっと待ってえええ!今検索したらあったんですけどおおお!

え、なに、これってけっこう一般的なアイテムなわけ?いきなり見つかってすげービビッてんですけど。へー、Chin Strap DildoとかChin Dildoって言うのかー。人生って深いなぁ…。
話を元に戻す。つーか、↑このあとの話としてはパンチが弱すぎるが…。
「これアタシに似合うと思う?」
そう言ってオカが見せてきたのは、乳なんぞまるっきり隠す気ゼロの下着、というかボンデージというか、ただのエロい装着具だ。

いやコレはこのモデルみたいに乳がEとかFとかじゃないと難しいだろ…と思わず口に出したら、「お!?言いやがったなコノヤロー、今夜マタ開かねーぞバカヤロー!」なんてプンスカ怒り始めた。オカは胸が小さい、というかあまり無い、というか…なのである。
すみません似合います俺が買います買わせて下さい、そう言うと、「あっはっは、ムリすんなよ旅人クン、働いてるお姉さんがカードで買ってあげるから!分割だけどな!」って、俺からカゴを奪い取り、レジへガシガシと向かって行った。
店員が計算をしている間、レジ下のショーウィンドウに並んだ怪しい錠剤やら小瓶やらを、目をキラキラさせて「これなーに?」なんて眺めていたから、ひとつひとつ説明してやった。まぁどれも大したことない精力剤とか勃起薬とか、ちょっとだけ飛ぶハーブとか、あんまり使えるモノも見当たらない。ラッシュの大瓶はあったから買うかどうかを相談したけど、別にいいかってことでそのまま会計をして外に出た。アダルトグッズばかりが入った大きな袋2つを持って…。
一応すぐ隣にある最新ファッション的な服屋にも寄ったんだが、オカがあまりにも興味なさそうなのですぐに出た。午前の便で到着したからその時点でもまだ夕方にもなってなかったし、これからどうする?って聞いてみると「別に見たいところもないし、ていうか早くアタシを抱けと」って真面目な顔して言うもんだから、ヤリモクで口説かれる女の気持ちってこんな感じなのかな?と少しヘコんだ。
俺はため息交じりに、へいへいそんじゃあ抱きに帰りますかねーと車のエンジンをかけ、泊まっているホテルへ向けて出発した。「えーなんか義務的な感じでイヤなんですけどー」って言われたから、そんなことねーわ!今から死ぬほど抱いてやるから覚悟しろ!と返すと、「あはは!どうぞ殺してくださいって感じ!」なんてウキウキ笑ってたよあいつ…。
30分もしないでホテルに着いた。ボロ宿で悪いなと言うと、オカは「え?何が?ベッドあるし問題なくない?」と小躍りしながらシャワールームへと消えて行った…。
俺は微妙な気持ちのまま、オカのために買っておいた上物のクサとボングをテーブルに配置して、ソファに寝っ転がってタバコを吸いながら待っていた。想像のはるか上をいくオカに、内心少しビビる俺。やべーな、俺で太刀打ちできるのか?まぁなるようになるか…。
「は~、サッパリ!アンタはシャワーする?アタシは気にしないけど、ウフフ」
ニッコニコしながらベッドへ横になったオカは、もちろんタオル一枚を体に巻いただけ。そのキラキラした目が「よし来い!さぁ襲え!好きに犯せ!」そう言っている…。シャワー浴びてくるからクサでも吸って待ってろ、そう言って俺は浴室へ向かった。
俺が頭を拭きながら出てくると、なにやらおかしな恰好をしたオカが悲しい顔をして突っ立っていた。
「これ、似合わない…」
さっきの店で買ったボンデージを着ている。が、やはり胸がスカスカで絶望的に似合っていない。しかも日本人には胴が長すぎる設計なので全体的にブカブカだ。素っ裸にそれを装着してションボリと立っているオカを見て、俺は思わず爆笑してしまった。つられてオカも笑ってた。
そこから二人でクサを吸った。メディカルってブランドだ、お前が来るって言うから奮発したぜ~!なんて言っても、すでにオカは理解できていない。
「ブランド?何の話だっけ?てゆーかここどこ!あっはっは!」
今思い出してもこのメディカルはマジですげーネタだった。バッズがほぼ白で粉ふきまくり。吸う人によってはそのままストーンを通り越して気絶してたからな。そのくらい強烈なクサをボングでガッツリいったんだ、慣れたヤツでもなかなか正気は保てない。オカはもちろんのこと、例に漏れず俺もな。
そこからはまぁ、ごく普通の、強烈に激しいドロドロのセックスがひたすら続いた。オカのMっ気に当てられて、俺も対応しうる限りのSに興じた。なぜかこの女に何か傷跡を残したいと猛烈に感じて、最初の一発だけガッツリと中出しした。こいつと結婚してもいいなと、本気で思った。
眠さに負けるまでセックス。起きてシャワー浴びてセックス。クサ吸ってメシ食ってセックス。ちょっと買い物行ってまたセックス。オカが最初に宣言した通り、4日間ずっとセックスしてた。
5日目の朝、起きてまたセックスしてた。終わって時間を見ると、帰りの飛行機にギリギリの時間だ。大急ぎで準備して空港へ車を飛ばした。
その結果、乗り遅れた。
「帰ってセックスしようよぉ」
次の便も取らず、急いで宿へ戻ってセックスした。
「さすがにもう有給つぶせないわ!」
そう言って、オカは6日目に日本へ帰って行った。「生理きた」ってメールが来て、少し寂しかった覚えがある。
「あのさ、アタシとセックスしに帰っておいでよ(直球)」
ってメールが来て、そろそろこの旅も終わらせようって決心した。好きになったのかどうかはわからなかったが、オカとヤリたいって気持ちが抑えられなかった。
そこから一か月も待たず、俺は久しぶりに、日本の土を踏んだ。