~ 新ルートでの初取引1 ~
夜中1時に4番ネ、という暗号がわからなかったけど、成瀬にあるファミレスの裏だとしっかり教えてくれた。これって暗号の意味無くない?って思いながら電話を切った。
その日の夜、仲間から金をかき集めて指定された場所へ車で向かったんだけど、仲間とゾロゾロなんて目立って仕方ないのでドキドキしながらも俺一人で行ったわけ。そしたら待ち合わせ場所がちょっとしたギャングカー展示場みたいになっててドン引きもドン引きよ。ざっと数えても10台以上のカマロやアストロやインパラが民家の壁際にビッシリ。しかも、誰が見たって「あれはきっと悪い人たちだ」とわかるような長髪にドレッド、皮ジャンにスカジャンみたいな不良どもが、車にもたれながら静かにタバコ吸ってんの。レストランの裏と言っても、ここ普通の住宅街だぜ?
これは明らかにセッティングミスでしょ~!なんて車の中で頭を抱えてたら、俺の後ろから地味な日本車がやってきてパッシングを二回、そんでギャングカー連中の真ん中あたりに停車した瞬間!不良どもが一斉にその車へ向かって走り出した!一台の車に群がる20人近い薬物亡者たち!えー!?この中に俺も入らなきゃならないの!?こ、怖いよー!
外に出る勇気が出ない俺は、しばらくその「薬物取引の現場」を見ていたんだけど、後部座席に人が入って出てくるまで1分もかからないのね。しかもみんなドアの前で「お先にどうぞ」みたいに譲り合ってるのには笑ってしまった。お互いの見た目が怖いからってのもあるだろうけど、トラブル回避のマナー重視ってことだな。ふむふむ、ではそろそろ俺も例にならって飛び込んでみますか!